子育てもひと段落したからそろそろ再就職を・・・と考えている人の中には、「登録販売者」に興味を持っている方も多いのではないでしょうか?
現在ドラッグストアなどで働いている人の中にも、キャリアアップのために「登録販売者」を目指してみようと考えている方もいらっしゃるかもしれませんね。
この記事では、登録販売者に興味を持っている方にむけて、
- 「登録販売者」は誰にでもなれるのか?
- 「登録販売者」のなり方
を紹介していきます。
さっそく、確認していきましょう!
目次
1.登録販売者とは
登録販売者は、かぜ薬や鎮痛剤などの一般用医薬品を販売できる専門資格で、2009年の改正薬事法により誕生しました。
一般用医薬品は、そのリスク程度により、「第1類」から「第3類」までの3つに分類されています。
このうち、もっともリスクの高い「第1類医薬品」の販売は薬剤師にしかできませんが、「第2類医薬品」と「第3類医薬品」は、登録販売者にも販売することができます。
いわば登録販売者は、薬剤師につぐ「医薬品販売のプロ」ですね。
2.登録販売者の受験資格
登録販売者になるにはまず「登録販売者試験」に合格する必要がありますが、この「登録販売者試験」に受験資格はありません。
年齢や学歴は関係なく、誰でも登録販売者を目指すことができますね!
以前は学歴や実務経験の「受験資格」があったのですが、2015年に撤廃されて誰でも受験できるようになりました。
受験資格が撤廃されて受けやすくなったこともあって受験者数が増え、「登録販売者」は人気の資格です。
3.登録販売者試験の申し込み
登録販売者試験は各都道府県で年1回実施されていて、試験日や受験料、試験内容なども各都道府県により異なります。
「(都道府県名) 登録販売者試験」などで調べて、自分が受験する都道府県の情報を確認しましょう。
一般的に、試験の申し込みは以下の流れになります。
- 願書の入手
- 書類提出
- 受験票受け取り
1) 願書の入手
インターネットによるダウンロードの他、郵送を依頼したり、窓口で直接受け取ることもできます。
窓口で受け取る場合は、保健所や健康福祉センターなどで受け取ることができます。
2) 書類提出
願書を入手したら、願書の記入と提出書類の準備をしましょう。
記入がおわり提出書類が全て揃ったら、受付期間に余裕をもって提出を済ませておくと安心ですね。
- 受験願書
- 写真
- 受験手数料(収入印紙)
- 返信用封筒
郵送で提出したり、窓口に直接提出できる都道府県もあります。
郵送する場合は、郵送にあたっての注意事項(郵送方法、「●●在中」の朱書きの指定等)がないか、しっかり確認しておきましょう。
3) 受験票の受け取り
申し込みが完了したら、受験票が送られてきます。
内容に間違いがないか確認して、試験日まで大切に保管しておきましょう。
試験日の2週間前になっても届かない場合、問合せ先に確認してみましょう。
4.登録販売者試験の内容
次に、登録販売者試験の「内容」や「問題形式」について確認していきましょう。
登録販売者試験は、厚生労働省が作成する「試験問題作成の手引き」から出題されます。この手引きは5章からなっていますが、各章ごとに出題される問題数が決まっています。
内容 | 出題数 | |
1章 | 医薬品に共通する特性と基本的な知識 | 20問 |
2章 | 人体の働きと医薬品 | 20問 |
3章 | 主な医薬品とその作用 | 40問 |
4章 | 薬事関係法規・制度 | 20問 |
5章 | 医薬品の適正使用・安全対策 | 20問 |
試験はマークシート方式で行われます。
また、試験時間は合計240分。休憩をはさんで120分ずつ行われるのが一般的なようです。
問題数は120問なので、1問あたり2分の時間配分となりますね。
5.登録販売者試験の合格基準と合格率
登録販売者試験の合格基準は全体の7割以上。ただし、各試験科目で3.5割以上正解する必要があります。(都道府県によっては4割以上)
つまり全体では7割正解していても、5科目中1科目でも基準以下の正解率であれば、不合格となってしまいます。
試験範囲はまんべんなく勉強し、苦手な科目は作らないようにしましょう!
合格率はどのくらいなの?
登録販売者試験の合格率は、全国平均で40~50%程度となっています。
ただし、各都道府県によって出題内容がことなるため、合格率も違います。
令和4年度(2022年)の場合、合格率がもっとも高かったのが佐賀県で59.3%。反対に、もっとも低かった高知県では29.8%と、30%近くの差が生じました。
ちなみに、登録販売者試験を受ける場所(都道府県)にきまりはありません。つまり、どこで受けてもOKです。
お住まいの地域の合格率が低い場合は、他県での受験や、複数県での併願受験などを検討してみるのもよいかもしれませんね。
試験日は、例年8月下旬から12月中旬となっています。
申し込み期限の目安は、試験日の約2ヶ月前になりますので、試験日程に合わせて準備や勉強をスタートしましょう!
6.登録販売者になるには
登録販売者試験に合格したからといって、登録販売者になれたというわけではありません。
次のステップに沿って、一人前の登録販売者を目指しましょう。
【STEP1】登録販売者試験に合格する
まずは、登録販売者試験に合格しましょう!
【STEP2】 登録販売者(研修中)
登録販売者試験に合格したよ!今日から私も登録販売者!!
ちょっと待って。「販売従事登録」はした?
・・・?
登録販売者試験に合格したら、「販売従事登録」をします。
しかし、販売従事登録は勤務先が決まっていないと登録できません。
まずは勤務先を決定してから、勤務先の都道府県で「販売従事登録」をしましょう。
申請が許可されると、販売従事登録証がもらえます。
これで晴れて、登録販売者として働くことができます!!
ただし、「実務経験2年以上」に満たないうちは「研修中」という立場になります。
「研修中」の期間は、
- 実務経験が2年以上ある登録販売者
- 薬剤師
の、どちらかの管理・指導の下でなければ、一般用医薬品を販売することができません。
まずは研修中からのスタートになりますが、独り立ちに向けて実務経験を積みましょう。
【STEP3】 登録販売者(店舗管理者)
一人で売り場に立てるようになるには、実務経験が必要です。
以前は、「直近5年間に2年以上、かつ合計1920時間以上の実務経験」が必要だったのですが、2023年4月から「2年以上」が「1年以上」に短縮されました。「合計1920時間以上」はそのままです。
より短期間で、一人前の登録販売者になることができるようになりました!
ただし、追加研修を受ける必要があります。
「直近5年間に1年以上、かつ合計1920時間以上の実務経験」を満たせば、この実務経験期間を証明する書類「実務従事証明書」を勤務先に発行してもらうことで、管理者要件(店舗管理者になるために必要な要件)を満たすことができます。
まとめ:登録販売者の「受験資格」と「なり方」
登録販売者試験を受けるのに、受験資格はありません。
登録販売者になるには、次のステップに沿って目指しましょう。
【STEP1】登録販売者試験に合格
【STEP2】「研修中」の立場で、実務経験を積む
【STEP3】勤務先に「実務従事証明書」を発行してもらえば、「店舗管理者」の要件を満たすことができる
店舗管理者の要件を満たすための実務経験期間が短縮されたことで、一人前の登録販売者になるまでの道のりが短くなりました!
登録販売者の資格に興味をお持ちの方は、ぜひこの機会に一歩を踏み出してみましょう!
「登録販売者」の資格をとりたいんだけど、私にもとれるのかな?