医療事務といえば、女性に人気の仕事ですよね。
実は、医療事務の仕事に資格は必要ありません。
誰でも医療事務として働くことができるのですが、医療事務として働いた経験がない場合には、やる気のアピールや知識を修得するために、資格をとっておきたいですね。
知識や資格があることで、自信をもって面接に挑むことができるようにもなります。
本記事では、たくさんある医療事務の中から厳選した5つの資格を紹介し、どれを選べばよいのか選び方のポイントを解説します。
目次
1. 医療事務とは?
医療機関の事務職として医療機関になくてはならない仕事、それが医療事務です。
景気に左右されず安定したニーズがあること、曜日や時間など自分にあった働き方を選びやすいことから女性に人気の仕事です。
2. 医療事務の仕事内容
医療事務の主な仕事は、
① 受付
② 会計
③ レセプト業務
④ クラーク業務
になります。
それぞれの仕事内容を確認していきましょう。
①受付業務
受付業務は、みなさんイメージしやすいのではないでしょうか。
病院やクリニックに行ったとき、最初にお世話になる部門ですね。
少し緊張しながら行った初めての病院で、「受付の方の対応がよくてほっとした」といった経験をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
まさに、その病院の「顔」!
受付業務のよしあしで病院の印象が変わってくることもあるくらい、大事な業務です。
受付業務では、来院された患者さんから診察券を預かって診療の案内をしたり、定期的に保険証の提示を求めて確認を行ったりします。
また、初めて来院された患者さんには、記入してもらった問診票をもとにカルテや診察券を作成します。
診察が済んだ患者さんには次回の予約をとったり、患者さんからさまざまな質問や相談を受ける場合もあるでしょう。
受付業務は、人と接することが苦手ではなく、明るい笑顔でどんな患者さんともコミュニケーションできる人に向いています。
また、テキパキと正確に物事を処理するスキル、冷静に物事を判断できるスキルも求められます。
そして、医療事務の仕事ではパソコンを使うことも多くありますので、基本的なPCのスキルも必要となってきます。
②会計業務
診療内容や適用される健康保険の種類をもとに医療費を計算して、患者さんが負担する分の医療費を徴収します。
また、領収書が必要な方には領収書を発行したり、お薬がでている場合には処方せんを渡します。
③レセプト業務
医療費のうち、患者さんが負担するのは一部になります。残りの医療費は、患者さんが加入している健康保険の保険者(協会けんぽ、組合健保、市区町村など)に請求します。
保険者に医療費を請求するときには、レセプト(診療報酬明細書)とよばれる書類を提出します。
レセプトを提出して保険者に医療費を請求する業務が、レセプト業務になります。
現在、レセプトの作成は基本的にコンピュータがしますが、コンピュータへの入力時に誤った内容が入力されているケースもあります。
レセプトの内容に誤りがないか人の目で確認する作業は、レセプト業務のなかでもっとも大切な業務になります。
この作業には、カルテを正しく読み取る力などの専門性が求められます。
④クラーク業務
クラークは、多忙な医師や看護師の負担を軽くするために誕生した仕事であり、医師や看護師の事務的な作業をサポートをします。
クラーク業務は、「外来クラーク」と「病棟クラーク」とに分けられ、それぞれ次のような事務サポートを行います。
- 外来の患者さんの受付
- 問合せ、予約受付などの電話対応
- カルテ整理や検査データの準備
- 診療室への案内
- 入退院の手続き
- 患者さんやご家族への対応
3. 医療事務の資格
医療事務には、国家資格はありません。
色々な民間団体がそれぞれに主催する民間資格が、多く存在しています。
各資格によって、難易度やどの分野に重点がおかれているか違いますので、自分の目指すレベルや業務に合った資格を選ぶとよいですね。
4. 医療事務の資格厳選5選!
では実際に、どんな資格があるか紹介していきます。
医療事務検定試験
医療事務の業務全般に関して、基本的な知識と技術を身につけることができます。
合格率が高いので、まずは基本を身につけたい初心者の方におすすめの資格です。
主催 | 日本医療事務協会 |
受験資格 | なし |
受験料 | 7,700円(税込) |
合格率 | 90.5%(2022年度) |
試験日 | 毎月第4日曜日 |
医療事務認定実務者®試験
医療事務の基礎知識と、実務の基本を学べます。
問題は全てマークシート方式なので、初心者の方にも挑戦しやすいですね。
一般受験は在宅受験になります。自宅で受験できるのもうれしいですね。
「医療事務検定試験」と同じく、まずは基本を身につけたい初心者の方におすすめの資格です。
主催 | 全国医療福祉教育協会 |
受験資格 | なし |
受験料 | 一般受験:5,000円(税込)団体受験:4,500円(税込) |
合格率 | 60~80% |
試験日 | 毎月1回 |
医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®)
医療事務技能審査試験は、受験者数が多く人気の資格です。
医療事務技能審査試験の合格者には、「メディカルクラーク」の称号が付与されます。
主催 | 一般財団法人 日本医療教育財団 |
受験資格 | なし |
受験料 | 7,700円(税込) |
合格率 | 77.4% |
試験日 | 医科:年12回(毎月)歯科:年6回(5月、7月、9月、11月、1月、3月) |
医療事務管理士®技能認定試験
医療事務管理士®技能認定試験は、日本初の医療事務資格です。
実技試験では診療報酬明細書を作成するための知識、学科試験では法規、保険請求事務、医学一般が出題範囲となっています。
主催 | JSMA(技能認定振興協会) |
受験資格 | なし |
受験料 | 7,500円(税込) |
合格率 | 約50% |
試験日 | 在宅:毎月1回インターネット試験:好きな時に受験可能 |
診療報酬請求事務能力検定試験
診療報酬請求事務に従事する人の能力向上を目的とした試験です。
医療事務資格の中でもっとも難易度が高く、医療機関からの認知度も高い資格になります。
初心者の方というよりも、実務経験がある方がキャリアアップを目指して取得するのにおすすめの資格です。
主催 | 日本医療保険事務協会 |
受験資格 | なし |
受験料 | 9,000円(税込) |
合格率 | 約30% |
試験日 | 年2回(7月、12月) |
5. 結局どの資格をとればいい?
多くの資格がある医療事務の資格。
結局、どの資格を選べばよいか迷いますよね。
そんなときには、以下のポイントを考えてみるといいですよ。
自分のレベルと活躍したい業務
医療事務として働いた経験がありますか?それとも完全な初心者ですか??
完全な初心者であれば、まずは医療事務としての基本を身につけられる資格がおすすめです。
医療事務の資格はなくても医療事務として働くことはできますので、あえて長い時間をかけて難易度の高い資格を取得しなくても、まずは基本を身につけられる資格を選んでみてはいかがでしょうか。
資格の認知度
就職のための資格取得であれば、やはり認知度のある資格を選んでおきたいですね。
学びやすさ
資格取得に向けて、どうやって勉強しようと考えていますか?
具体的には以下の方法があげられます。
- 独学
- 通信コース
- 通学コース
コストや時間的に可能かどうかを考えて、自分にあった方法、講座を見つけてみましょう。
一般教育訓練給付制度の対象か
受給要件を満たしていれば、厚生労働省が指定する講座を選ぶことで、受講料の20%(上限10万円)が支給されます。
通信講座や通学で学ぼうと思っている方、検討中の講座は「一般教育訓練給付制度の対象講座なのか」調べてみるといいですね。
まとめ:医療事務資格の種類と選び方
数多くある医療事務の資格のなかから、厳選した5つの資格を紹介しました。
- 医療事務検定試験:基本を身につけたい初心者の方におすすめ
- 医療事務認定実務者®試験:基本を身につけたい初心者の方におすすめ
- 医療事務技能審査試験(メディカルクラーク®):受験者数が多く人気の資格
- 医療事務管理士®技能認定試験:日本初の医療事務資格
- 診療報酬請求事務能力検定試験:難易度が高い
どの資格を取ろうか迷ったら、以下のポイントを考えてみましょう。
- 自分のレベル(実務経験の有無)と活躍したい業務(受付、レセプトなど)
- 資格の認知度
- 学びやすさ
- 一般教育訓練給付制度の対象か
目指す資格が絞れたら、本を買ったり、通信・通学講座の資料請求をしてみましょう。
動かなきゃ何も始まりません。まずは、一歩踏み出していきましょう!!
医療事務の資格をとろうと思うんだけど、たくさんあって何をとればよいか分からないの!