わが子の子育てを通して、あらためて子どものかわいさを実感したという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
わが子ではなくても、子どもたちと一緒に話したり遊んだりしながら子どもたちの成長を見守ることができるのは、大きなやりがいにつながりそうですね。
そんな方におすすめの保育士の資格。
学校に通わなくても、独学や通信講座だけでとれるのでしょうか?通学する必要があるとなると、ちょっとハードルが高いですよね・・・
結論からいうと、保育士資格は独学や通信講座だけでも取得可能です。
本記事では、子ども相手の仕事に興味を持ち始めたという方にむけて「保育士の資格について」と「保育士資格の勉強方法について」を解説します。
さあ、一緒に確認していきましょう!
目次
1. 保育士について
保育園で働いているのが保育士、幼稚園で働いているのが幼稚園教諭。
それくらいのイメージはあるけれど、その目的や資格にどんな違いがあるのかと聞かれると、きちんと答えられる方は少ないのではないでしょうか。
まずは、保育士と幼稚園教諭の違いについて知り、どちらがより自分に合っているのか考えてみましょう。
保育士と幼稚園教諭
ざっくりいうと、保育士は子どもの保育を、幼稚園教諭は教育を目的としています。
その他にも、次のような違いがあります。
保育士 | 幼稚園教諭 | |
資格 | 保育士資格(国家資格) | 幼稚園教諭免許(教員免許) |
管轄 | 厚生労働省 | 文部科学省 |
対象年齢 | 0歳~小学校就学前 | 満3歳~小学校就学前 |
目的 | 基本的な生活習慣を教える | 年齢に応じた幼児教育 |
はたらく場所 | 保育園児童養護施設乳児院など | 幼稚園(公立・私立) |
保育士と幼稚園教諭の違いの中でも注目してほしいのが「資格」。
幼稚園教諭が持つ「幼稚園教諭免許」は更新が必要ですが、保育士が持つ「保育士」は国家資格!更新の必要はなく一生使える資格です。
保育士の仕事
保育士は、乳児から小学校就学前までの幅広い年齢の子どもを相手にします。
保育士の仕事の中には、食事や排せつ、着替えなどの身の回りのお世話がありますが、対象となる子どもの年齢にあったお世話をしつつ、ゆくゆくは自分でできるように成長をサポートしながら行うことが大切です。
年齢が大きくなるにつれて、小学校就学を見据えた集団生活についても教える必要がありますね。
また、保育士の仕事は子どもたちだけに行うのではありません。
連絡ノートで園内での子どもの様子を知らせたり、寄せられた相談に乗ったりと、保護者に向けた仕事も重要です。
保育園での、子どもの様子や成長を教えてもらうと嬉しいですよね。
保育士が働く場所
保育士が働く場所として、まずは保育園が思い浮かびますよね。
保育園だけではなく、保育士資格をいかせる職場はたくさんあります。
職場によって働き方や給与なども違ってきますので、自分にあった職場を選ぶことができますね。
保育園、認定こども園、小規模保育所、企業内保育所、院内保育所、託児所、児童福祉施設、ベビーシッター、学童保育など
2. 保育士の資格
ここからは、国家資格である「保育士資格」について詳しく解説していきます。
どんな資格?
「保育士」という言葉、いつ誕生したか知っていますか?
以前、保育士は「保母」「保父」という名称で呼ばれていました。
1999年(平成11年)、男女雇用機会均等法が大幅に改正されて「保母」「保父」から「保育士」という名称に変わりました。
その後、2003年(平成15年)の児童福祉法改正により、「保育士資格」は民間資格から国家資格になったのです。
保育士のなり方
【STEP1】保育士資格の取得
保育士になるには、次の2つの方法があります。
- 厚生労働大臣が指定する保育士養成施設(大学・短大・専門学校など)に進学し、卒業する方法。この場合、試験を受けなくてもよい。
- 保育士試験に合格する方法。
この記事を読んでくださっている方は「保育士試験に合格する方法」に該当する方がほとんどだと思いますが、この場合受験資格が定められているので注意してくださいね。
【STEP2】各都道府県で保育士登録の手続きをして保育士証を取得。
これで、保育士として働けるようになります!
受験資格
保育士試験を受験する場合、最終学歴によって決まる受験資格が定められていることに注意してください。
まず、次に該当する方は受験資格があります。
- 大学を卒業*
- 短大を卒業*
- 専門学校を卒業*・・・学校教育法に基づく専修学校で2年以上の専門課程を卒業していること
- 高等学校を卒業・・・“1991年(平成3年)3月31日以前に卒業”または”1996年(平成8年)3月31日以前に保育課を卒業していること
*) 大学・短大・専門学校卒業の場合、保育士に関係ない学科でも受験資格が得られます。
上記に該当しない場合には、実務経験により受験資格を得ることができます。
- 高等学校卒業:児童福祉施設で2年以上かつ2,880時間以上の実務経験
- 中学卒業:児童福祉施設で5年以上かつ7,200時間以上の実務経験
詳しくは、一般社団法人 全国保育士養成協議会のHPで確認してくださいね。
保育士試験を受験する場合、年齢の上限はありませんよ!
試験内容と合格基準
保育士試験には、筆記試験と実技試験があります。
筆記試験
保育士資格の筆記試験は、9科目から出題されます。
- 保育原理
- 教育原理
- 社会的養護
- 子ども家庭福祉
- 社会福祉
- 保育の心理学
- 子どもの保健
- 子どもの食と栄養
- 保育実習理論
筆記試験に合格するには、9科目すべてで6割以上の点数をとらなくてはなりません。
ですが安心してください、一度合格した科目は3年間有効になります。
もちろん一度の試験で9科目すべて合格するに越したことはないのですが、もしも不合格の科目があったとしても、3年の間に不合格となった科目で合格を目指せばいいのです。
実技試験
保育士試験の実技試験は筆記試験の全9科目に合格した人が受けることができ、「音楽」「造形」「言語」の3分野から2分野を選んで受験します。
それぞれ、次のような試験内容となっています。
- 「音楽」に関する技術
幼児に聴かせることを想定して、2曲の課題曲を演奏しながら(ピアノ、ギター、アコーディオンのいずれか)歌う。
- 「造形」に関する技術
保育の一場面を鉛筆(またはシャープペンシル)・色鉛筆をつかって絵画で表現する。
- 「言語」に関する技術
課題のなかからお話を1つ選んで、3歳時クラスの子どもに「3分間のお話」をする。
実技試験の合格率は8割~9割。選択した2分野とも、6割以上の点数をとれれば合格です。
保育士試験の合格率は約2割と低く難易度の高い試験となっていますが、実技試験にかぎっていえば8割~9割と高い合格率となっています。
試験日
保育士試験には筆記試験と実技試験があり、2日間の筆記試験に合格すると実技試験(1日)を受けることができます。
また、保育士試験は年に2回(前期:4月、後期:10月)実施されています。
受験申請は筆記試験の約3ヶ月前となっていますので、注意してくださいね。
参考までに、令和5年度の日程は次のようになっています。
前期試験【済】
筆記試験:令和5年(2023年)4月22日(土)、23日(日)
実技試験:令和5年(2023年)7月2日(日)
後期試験
筆記試験:令和5年(2023年)10月21日(土)、22日(日)
実技試験:令和5年(2023年)12月10日(日)
後期試験は10月ですが、受験申請が令和5年度(2023年)7月6日(木)~7月26日(水)となっています。
試験会場
保育士試験の試験会場は、都道府県ごとに設置されます。
3. 保育士試験の勉強方法(メリット・デメリット)
保育士試験に合格するには、通学しないと無理なの? できれば、「独学」か「通信講座」でとりたいんだけど・・・
保育士資格は独学や通信講座だけでもとることはできます。それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分にあった勉強方法で勉強していきましょう。
独学
メリット
- 費用が安い(参考書や問題集などのテキスト代だけで済む)
- 自分で勉強の計画を立てられる
デメリット
- 自分で勉強の計画を立てるので、自己管理が必要
- 法改正など最新情報を自分で調べる必要がある
- 実技試験の対策が難しい
通信講座
メリット
- 自分のペースで勉強できる
- 効率的に勉強できる
デメリット
- 費用がかかる(通学よりは安いが、独学にくらべると高くなる)
- 自分にあった講座を選ぶことが大切!
通学
メリット
- 同じ目標を持つ仲間がいるのでモチベーションを維持しやすい
- 分からないこともすぐ質問できる
- 法改正などの最新情報もすぐに手に入る
デメリット
- 通学する時間の確保が必要
- 費用がかかる
まとめ
本記事では、「保育士の仕事について」と「保育士の資格について」紹介しました。
保育士になるには、
- 保育士養成施設を卒業する
- 保育士試験に合格する
という2つの方法があります。
保育士試験には受験資格が定められているので、保育士試験に挑戦しようという方は受験資格を満たしているか確認してくださいね。
この保育士資格の受験資格は最終学歴により変わりますが、もしも満たしていない場合にも実務経験により受験資格を得ることができます。
新しいことに挑戦してみようという気持ちを大切に! まずは一歩踏み出していきましょう!!
今さらだけど、子どもってかわいい!子ども相手の仕事がしたいな。