介護の仕事はつねに人出不足。
求人情報を見ても、多くの介護の仕事を目にしますよね。
未経験でもはたらける求人も多く、またパートタイムの求人もあるということもあり、今現在、介護施設で働いている方も多いのではないでしょうか?
そんな方の中には、キャリアアップを目指して資格取得を検討している方もいらっしゃるのでは?
この記事では、介護資格の取得を考えている方にむけて、
- 介護の資格
- 「介護福祉士」の資格について
を、紹介していきます。
目次
1. 介護の資格
介護資格には、いろいろな資格が存在します。
その中でも、おもな介護資格と言えば次の3つがあげられます。
介護職員初任者研修
最初に紹介する資格は、介護職員初任者研修。
以前の「ホームヘルパー2級」に相当する資格になります。
入門的な位置づけの資格であり、介護の基礎から学ぶことができます。
介護職員初任者研修を取得するには、①約130時間の講習を受け、②その後の修了試験(1時間程度)に合格する必要があります。
介護職員初任者研修に受講資格はありませんので、誰でも受講できますよ。
ただし、独学や通信講座のみでの取得はできません。
通信学習の上限は40.5時間までと定められているので、残りの約89.5時間は通学で学ぶ必要があります。
したがって、介護職員初任者研修を学ぶには、”通学”または”通信+通学”で学ぶことになります。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修は、介護福祉士初任者研修の上位資格になります。
介護職員初任者研修の講習内容が9科目130時間なのに対し、介護福祉士実務者研修では20科目450時間となります。
介護福祉士実務者研修も、受講資格はありません。
誰でも受講できますが、介護職未経験の方は、まずは介護福祉士初任者研修を取得した方が安心かもしれませんね。
介護福祉士初任者研修を取得済の場合、受講内容のなかで重複している部分(130時間)は免除になりますよ。
介護福祉士
介護福祉士といえば、介護資格で唯一の国家資格になります。
後に詳しく解説します。
その他介護資格
他にも多くの介護資格がありますが、いくつかあげておきますね。
認定介護福祉士 | 「介護福祉士」の上位資格。民間資格。 |
介護支援専門員 (ケアマネジャー) | 介護を必要としている人に、最適なケアプランを作成する。 |
喀痰吸引等研修 | 医師の指示や看護師との連携のもと「痰の吸引」「経管栄養」を行うことができるようになる。 |
福祉住環境コーディネーター | 高齢者や障がい者の方が暮らしやすい住環境を提案する。 |
認知症ケア専門士 | 認知症の方へのケアに関して、知識や技術を備えた専門化を養成。 |
色々な資格がありますが、介護の実務経験があるうえでキャリアアップを目指すなら、介護資格唯一の「介護福祉士」を目指してみてはいかがでしょう!
2. 介護福祉士とは?
ここからは、介護福祉士について詳しく解説していきます。
どんな資格?
介護福祉士は、1987年に制定(2007年改正)された「社会福祉士及び介護福祉士法」により定められた資格です。
介護福祉士は、介護資格で唯一の国家資格になります。
どんな仕事?
介護を必要としている人の日常生活をサポートする介護福祉士。
今現在でも介護の現場はつねに人手不足という状況ですが、今後も高齢化が進んでいく日本において、介護の仕事に対する需要はますます高まっていくと予想されます。
介護福祉士の主な仕事には、次のような仕事があげられます。
身体介護とは、体に直接触れておこなう介助です。
直接身体に触れなくとも、要介護者の自立した生活を支援するために横で見守ることも身体介護に含まれます。
【例】食事介助、入浴介助、排泄介助、更衣介助、移動介助、外出介助、服薬介助、体位変換など
日常生活をおくるのに必要な家事を代行します。
【例】掃除、洗濯、食事の支度、買い物、薬の受け取りなど
なお生活援助は、要介護者が「自分のためにやりたいけれどできないこと」を代行する仕事です。家族のための家事は含まれません。
「要介護者本人」や「その家族」から介護・生活に関する相談を受け、それに対してアドバイスします。
【例】介護保険に関する相談、要介護認定に関する相談、福祉用具の案内、介護サービスの案内など
要介護者の孤立をふせぐため、家族や近隣住民とよい関係を築けるように支援します。
【例】地域のイベント・活動の情報提供、就労支援など
護資格で唯一の介護福祉士には、介護現場でのリーダーとしての役割も期待されます。
勤務シフトの管理、介護スタッフの指導・教育など
介護福祉士の仕事って本当にいろいろな内容があるのね。
介護福祉士のメリット
要介護者、要介護者の家族、職場などからの期待も大きく、仕事内容も多岐にわたる介護福祉士ですが、介護福祉士を取得することで、次のようなメリットがあります。
- 転職・再就職に有利
- 収入アップが期待できる
- キャリアアップして管理職を目指せるように
3. 介護福祉士の受験資格
介護福祉士になるのは大変そうだけど、介護の仕事は自分にあっているし、せっかくなら目指してみようかな。
3つのルート
介護福祉士の資格取得には、受験資格があるので注意してください!
介護福祉士の受験資格を満たすには、次の3つのルートがあります。
- 実務経験ルート:実務経験3年以上+「実務者研修」修了
- 養成施設ルート:指定の養成施設を卒業
- 福祉系高校ルート:福祉系高校卒業
介護の仕事をしながら、または未経験から介護福祉士を目指す場合、”実務経験ルート”に該当する方が多いと思われます。
この、実務経験ルートについて詳しく見ていきましょう。
【実務経験ルート条件①】実務経験3年以上
介護施設または事業所において、「3年以上(1,095日)従業」し、かつ「540日以上従事」していることが必要です。
この「従業」とは、介護職員として介護施設または事業所へ在職している期間で、産休や育休、病休なども含まれます。
「従事」は介護職員として実際にはたらいた日数になりますので、休暇や欠勤のほか、出張なども含まれません。
【実務経験ルート条件②】「実務者研修」修了
実務者研修の講座を修了していること。
4. 社会福祉士国家試験の試験概要
社会福祉士国家試験の受験方法
試験日
介護福祉士の国家試験には筆記試験と実技試験(実務経験ルートでは免除)があります。
令和5年度の試験は、
筆記試験:令和6年1月28日(日)
実技試験:令和6年3月3日(日)
に予定されています。
試験会場
筆記試験は以下の35都道府県で、実技試験は東京都と大阪府のみで実施されます。
筆記試験:35都道府県(北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、新潟県、石川県、長野県、岐阜県、静岡県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県、和歌山県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県)
実技試験:東京都、大阪府
社会福祉士国家試験の試験内容(筆記試験)
試験時間 | 領域 | 科目 |
<午前> 10時00分~ 11時40分 | 人間と社会 | ・人間の尊厳と自立 ・人間関係とコミュニケーション ・社会の理解 |
こころとからだの しくみ | ・こころとからだのしくみ ・発達と老化の理解 ・認知症の理解 ・障害の理解 | |
医療的ケア | ・医療的ケア | |
<午後> 13時35分~ 15時35分 | 介護 | ・介護の基本 ・コミュニケーション技術 ・生活支援技術 |
(総合問題) | – |
実務経験ルートの場合、実技試験は免除されます。
社会福祉士国家試験の合格率
筆記試験の合格基準は総得点の60%程度が基準になりますが、難易度により補正されることがあります。
また、全11科目で最低1問は正解する必要があります。
2022年度(第35回)の社会福祉士国家試験の合格率は84.3%でした。
まとめ:介護の資格と「介護福祉士」
介護の資格には色々な資格がありますが、なかでも主なものに、
- 介護職員初任者研修
- 介護福祉士実務者研修
- 介護福祉士
があります。
特に介護福祉士は介護資格で唯一の国家資格であり、おすすめの資格です。
介護福祉士には受験資格が定められており、受験資格を満たすために3つのルートがあります。
- 実務経験ルート
- 養成施設ルート
- 福祉系高校ルート
実務経験ルートに該当する方が多いと思われますが、実務経験ルートで受験資格を得るには、
- 実務経験3年以上
- 「実務者研修」修了
を満たす必要があります。
介護の現場ではたらいている方、キャリアアップを目指して「介護福祉士国家試験」を受けてみてはいかがでしょうか。
「実務者研修」修了が条件になるので一時的には大変だと思いますが、長い目で考えると決して損はないと思いますよ!
自分への投資もしながら、まずは一歩踏み出していきましょう!!
介護施設で働いているんだけど、キャリアアップのために資格でもとろうかな?